振り込め詐欺について考える3 警察官や銀行員を装う場合
◆犯行手口 ~警察官や銀行員を装う場合~
流れとしては、やはりまず電話です。
警察官を装った電話の内容は、
「あなたの口座が振り込め詐欺に利用されている可能性がある」
あるいは、
「最近捕まえた振り込め詐欺のグループが持っていた名簿に、あなたの名前があった」
というような、詐欺に騙されないよう注意する電話なのです。
これは実際に警察の方で行っている業務内容をそのまま利用しています。
現在警察では、犯行グループから押収した名簿に記載があった家庭に対し、
被害の防止のために自宅に直接出向いたり、電話で注意を促す業務があるのです。
そのため、この電話の時点での判別は困難でしょう。
そしてこの後、こう続けます。
「至急キャッシュカードを取り替えなくちゃならない。このあと銀行協会の△△という者に電話させますから、キャッシュカードを取り替える旨を伝えて下さい」
そして銀行協会の担当者と名乗る人からすぐに電話が来ます。
「口座にお金はいくらありますか?」
「カードは何枚ありますか?」
「暗証番号はなんですか? 変更する番号は何番に致しますか?」
「ちょうど近くに銀行協会の者がおりますので、キャッシュカードをお渡し下さい」
「明日には新しいキャッシュカードをお届けします」
こんな流れでその後家に来た「自称銀行協会の人間」にキャッシュカードを渡してしまい、
現金が奪われるわけです。
●その他の例
・自宅にやってきた人間が、データのみをスキミングする。
キャッシュカード自体は被害者の手元にあるが、データは犯行グループに渡っている。
・電話の後、「郵送用の封筒を送るので、
その中にカードと暗証番号を記入した用紙を入れて、返送して下さい」というもの。
●どうやって防ぐの?
・警察や銀行員が暗証番号を訪ねてくることはありえない。
・カードは渡しちゃダメ!
さて、長々と書いてきましたがどうだったでしょうか。
自分は調べていて、いつか引っかかる気がしてきました。
今後さらに進化していく騙しの手口に私は対抗できるのでしょうか・・・?
そしてNHKの番組でも取り上げられていましたが、
振り込め詐欺によって失うものは金銭だけではありません。
被害のあと、家族から「なんで騙されたんだ!」と責められ、家族関係にヒビが入ったり、
老後を生き抜くためのお金がなくなったことで精神的に追い詰められ、
塞ぎこむようになったりなど、お金より大事なものが連鎖して失われます。
息子を装った詐欺の場合は、お金を渡したあとに
「親としてのつとめを果たせてよかった」と考える人が多いといいます。
無償の愛、完全な善意の元に行われた行為なわけです。
それが一気にひっくり返る卑劣な犯罪が振り込め詐欺なのです。
「親のつとめどころか、社会の悪に金を渡してしまった…」
「老後のお金がないせいで今後息子に迷惑をかけてしまうことになる…」
「なんて私は馬鹿なんだ…」
なんかもう自分の親がそうなったらと想像するだけで涙腺に来ますよホントに・・・
この記事を読んだ方、今すぐにでも対策を。
警視庁では「家族だけの合言葉を決めよう」と呼びかけています。
「自分はひっかからない」
「うちの親は大丈夫」
被害を受けた方の大半もそう思っていたんですよ?
是非とも今夜、家族で詐欺対策の席を設けましょう。
一人暮らしの方は電話やメールでもいいと思いますよ。
以上、「振り込め詐欺について考える」でした。